知っておこう!
火災保険と家屋修繕
こんな話を聞いたことがありませんか?
ある日、近くで工事をしている業者さんが突然やってきて『火災保険を使って屋根直せますよ!』『自己負担なしで雨漏れ直せます!』などなど。
本当にそんなことがあるのでしょうか。
そもそも点検もしていないのに火災保険が使えるかわかるのでしょうか。
見て頂くにしてもその方は建物を直すプロであって(※注 違う場合もあります。)実際の損害箇所を査定する保険会社の方ではありません。
もちろんその方には経験値や実績があり、100%間違いを言ってるとも限らないのですが、
火災保険は保険会社の鑑定士が状態を確認し、ご加入の保険内容により対象となった場合にのみ保険金が給付されます。
誰でも被害に遭われてしまったときは焦ってしまうものです。
災害時においてはしっかりと説明ができない業者や知識の乏しい業者に依頼すると、大変なことになるケースがあります。
そして火災保険で基本的に対象となるのは被害にあった個所の現状復旧これが原則となります。
※詳しくはご加入の保険会社さんにお問い合わせください。
それでは、ここまでの内容を踏まえた上で火災保険が適用された事例をいくつか見ていきましょう。
台風による屋根の被害
お問合せで1番多いのが台風による屋根の被害です。
写真でも見られるように棟板金やスレートが強風により飛ばされてしまいます。
「夜中に大きな音がして、次の日に見たら屋根がなかった」
「翌日、庭先に屋根の一部が落ちていた」
こちらの事例でも見られるように、棟板金を固定する貫板の劣化が進んでいるとクギが利きづらく強風に耐えられなくなり飛ばされてしまいます。(劣化が進んでいなくても被害に遭う事もあります)
修繕の方法は
①足場の設置
②古くなった貫板を撤去
③雨で劣化しづらい【樹脂製の貫板】で施工
④ルーフィングシートと新しいスレート瓦を施工となります。
⑤棟包の取り付け
破損箇所の写真と修理費用の見積書を保険会社に提出して保険金を請求、給付後にご契約と施工をします。
屋根は家屋のなかで最初に雨が当たります。対応が遅くなると雨漏りの原因に繋がることから、台風が過ぎ去ったあとは特に注意が必要です。
台風による瓦のズレ
台風による瓦屋根の被害です。
瓦は耐久性が高く、デザイン性に優れて高級感もあり、スレート屋根等に比べメンテナンスの頻度を抑えることができます。ただし、重量があるために地震などの揺れに対して弱いことや、桟木に引っ掛けて並べてあるだけの物も多いので、昨今の強い風力をともなう台風などによりズレを起こしたり、飛ばされてしまう事例が増えております。
それにより、瓦が屋根から落ちた場合の2次被害も深刻です。
耐久性の高い瓦屋根ですが、定期的に点検をし大きなズレなどが生じないようにすることが大切です。
台風による雨漏り
火災保険は火事に限らず契約内容によっては雨漏りの修理が出来る可能性があります。
しかし建築時が原因の構造上の雨漏りや、リフォーム時の施工不良が原因で起きた雨漏りについては補償されません。
また経年劣化により雨漏りした場合も補償の対象とならないので注意が必要です。雨漏りは台風等の自然災害が原因の時は補償されます。
加入している火災保険の種類やプランで異なりますが、地震以外の自然災害を補償してくれる事がほとんどです。台風や大雨による雨漏りについては、火災保険の補償に「風災」が含まれていれば保険が適用されます。風災補償に対応した火災保険に入っていれば、台風や強風で屋根が破損した事により、大雨で外壁や天井から雨漏りした際も火災保険で被害を補償してくれます。
施工例:棟押えの板金が台風で飛ばされ、天井クロスが剝がれるほどの雨漏り
まずは、専門業者による雨漏りの原因を確かめ、加入している火災保険が適用出来る場合は、見積もりや被害箇所の写真が必要になります。普段保険工事をしていない業者でも、お願いすれば対応してくれると思いますが、火災保険の見積もりは住まいの救Q隊にご依頼ください!
雨樋の破損
台風による強風や積雪の重みなどの災害で雨樋の歪みや破損はございませんか?
そういった被害にはご加入の火災保険が適用される可能性があります。条件次第では保険による修理や補修が可能です!
◆風水害による破損
・強風による支持金具の破損
・飛来物での破損
・落葉などのつまりによるオーバーフロー
◆積雪による破損
・雪の重みで雨樋が歪む
・雪のズレ落ちによる継ぎ目の外れ
・雪の重みで支持金具の破損
雨樋の歪みや破損がある場合、雨水が軒裏や外壁などにまわり、躯体の腐食や雨漏れの原因となります。また、定期的に雨樋の詰まりを除去する事で災害対策にもなり、大切なお住まいを守ることができますので、ご心配な方は住まいの救Q隊ご相談を!
台風・強風による破損
カーポートは雨や風、雪などから車を守る大きな役割となりますが、台風による強風でカーポート屋根が飛ばされたり、飛来物にて破損するなど多くの被害報告があります。修理する費用が高額になる事もあるので、そのような場合、火災保険に加入されていると強い味方になります。
台風による強風で既存カーポート屋根が下からの風のあおりにより屋根葺き材が外れ屋根が飛ばされた形となりました。幸いなことに2次被害はありませんでしたが、想定外の大型台風での被害は甚大です。屋根葺き材や止め金具などは劣化すると押え込む力が弱まります。その為、復旧はもちろんの事、固定アングルなどを増やし、台風へのより一層の対策が必要となります。
台風時の飛来物による被害
窓ガラス、二階トイレの脱気筒が破損しています。
台風時に他所から飛んできた物で被害に遭われたようで、火災保険の対象となります。
被害を出してしまった側の保険が使える事が少ないことからご自身でご加入されている火災保険で直すことが一般的です。※高所の場合は足場が必要となります。
火災保険の補償範囲からは外れますが、後付けシャッターをご検討されるお客様も増えています。
掃除、片付けの際は割れたガラスで手を切らないように気をつけましょう!
建物付属物の被害
風災は主に家屋に直接関係のある所に該当されると思われがちですが実はアンテナ・フェンス・エクステリア等も被害にあう事が多いのです。条件を満たせば火災保険を使うことができます。主な条件として以下のものがあります。
・保険の対象に建物が含まれ、建物付属物も補償範囲に含んでいること
※建物付属物を補償範囲に含んでいない場合は補償対象外です。
・フェンスが壊れた原因について火災保険の補償内容に含まれていること
※車に衝突されたというような場合、その車を運転していた人に賠償してもらう事になります。衝突した車が逃げてしまって相手が分からないというような場合に火災保険を活用することになります。
・損害額が免責金額を上回っていること
※免責金額の設定がある場合は20万円以上の損害にならないと保険金が支払われません。どのような契約になっているのか保険証券などで確認しておきましょう。
台風や強風のあとは家周りの点検を行いましょう。不具合の箇所がありましたら早急に対応する事をお勧めします。そのままにしておくとご近隣、通行人、車等に2次被害の恐れがでてきます。まずはご信用いただける業者に相談をしてみましょう。
火災保険で直せる?直せない?
火災保険が使えるのは被害に遭ってから3年以内が対象です!!!
台風・竜巻 (風災) |
〇 | 台風、竜巻による被害は火災保険の対象となります。 但し、それを原因とした家財の被害は対象外となります。(※家財保険で補償) 対象例:家屋の破損(屋根、外壁、アンテナ、給湯器、雨戸・シャッター、カーポート等)、台風を原因とする雨漏り |
雪・ひょう (雪災・雹災) |
〇 | 大雪による家屋の倒壊や破損、ひょうによる被害等は火災保険の対象となります。一般的な保険内容では、保険料を抑えるために自己負担額を設定することが多く、免責が発生する場合はあります。 対象例:大雪による圧損、ひょうによる被害(雨どい、給湯器、フェンス、カーポート等) |
落雷 | 〇 | 落雷を原因とする火災や屋根瓦の破損は、火災保険の対象となります。但し、落雷によりコンセントから電気が逆流し(トラッキング現象)家財に被害が出た場合は家財保険で対応します。 |
雨漏り | △ | 台風や自然災害を原因とする雨漏りは火災保険の対象となります。しかし雨漏りの原因が構造上の問題や経年劣化によるものとの判断が難しい場合があります。大きな台風などの後は家屋の状態を把握し、お早めに対応することをお勧めします。 |
地震 | × | 地震による家屋の倒壊、破損等は火災保険の対象にはなりません。また、地震を原因とする津波、洪水、火災等も対象からは外れます。現在ご加入の火災保険に加えて地震保険のご加入をご検討ください。 |
住まいの救Q隊で火災保険が適応された弊社の事例
- 台風でアスファルトシングル屋根が破けた。(横浜市泉区N様)
- 強風で波板が10枚飛んだ。(大和市福田S様)
- 強風で隣家の瓦が飛んできて外壁と水切りが破損した。(高座郡寒川町K様)
- 強風で2階の雨樋が変形した。(海老名市国分南K様)
- 台風で棟瓦が落下して、カーポートを破損した。(座間市立野台M様)
- 強風でスレート屋根の棟板金がめくれた。(横浜市西区Y様)
- 台風で瓦が飛んで雨水が侵入し和室の天井とクロスにシミがついた。(藤沢市亀井野O様)
申請の流れ
工事店への問い合わせ
・施工会社や工務店などに問い合わせ、破損個所を伝えましょう。
・保険会社に提出するための写真撮影を行い、被害の程度に応じて応急処置を行います。
・工事店から修繕見積書を発行してもらいます。保険会社に費用を伝えるのに必ず必要です。
保険会社にご連絡(お客様でお願いします)
・お客様がご契約している保険会社へ連絡を行ってください。ご契約者でないと保険会社は対応してくれないため、工事店から連絡することはできません。
・保険会社から申請用の書類をもらいます。保険会社のホームページから印刷できるようになっている場合もあります。
保険会社へ書類を送付
修繕見積書、被害写真、申請書類(必要とされる書類)を同封し保険会社に送付してください。
保険会社より災害給付金支給
・被害状況によっては、保険会社の鑑定士が確認するケースがあります。被害が認められれば災害給付金が支給されます。
工事店と契約
・保険会社から、給付されない場合も御座いますので、給付を確認してから契約を行います。
・ご契約が完了したらいよいよ修繕工事スタートです。
①~⑤まで5日~10日程度が目安となります。